この青空に
これか、確かに106だ。開発途中を何度か見ただけだが間違いない。             「おい、乗って見たのか?」                    「いや、まだ死ぬ理由がねぇからな、乗ってねぇよ。」                   だろうな、こいつがどんなものか知ってたらまず普通のやつは乗らない。だが、それを克紀は普通のやつに乗れと言った。どういうことだ?              「あんまり中身いじるんじゃねぇぞ。ナクタに触らせたと知られたら俺の立場も危ねぇからな」                       「どういうことだ?」                       「お偉いさんがな、決してナクタには触らせるなとか言いやがったからよ。」                    「お前!…」                マジで馬鹿だ。それを先に言え。それでだいたい答えが決まったようなもんじゃないか。               だが確証がない、いくら俺でも数時間でこの機体を把握するのは簡単じゃない。それに、そんなに長い時間抜け出してるわけにもいかないからな。この仮定を確証付けるためには、実際に乗ってみなければ分からないな。                      「とりあえず結論から言おう。こいつはお前でも扱える。」                 「どういうことだ?」            こいつ自身、半ば察してはいたんだろう。顔色一つ変えやがらない。こと戦闘に関することに関してはスペシャリストだからな。                   「簡単に言うぞ。これは俺達の実戦データをもとにお前達用に作られた。」                     「本当に簡単に言ったな」           「十分だろ?」              「ああ」                  くそったれ。説明してもらおうじゃねぇか!……いや、分かってはいたことか。気分悪ぃ、こいつも黙ったままだし、さったと戻るか。
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