時を越えて ~約束~


「で、明日は校庭に朝8時に集合してもらう。
 それからバスに乗ってペアごとの場所に行く。
 他のペアとは近くても3㎞は離れているし、逃げたら退学だぞ~。
 あっ!これは脅しじゃないからな!理事長の意向だ。」 


 ――ザワザワザワ

さすがに、このことにはみんな驚いたみたい。



「えっ。それって隣の奴とふたりっきりで誰も来ないってことじゃん。」

「こんなことなら、やっぱり花鈴ちゃんの隣が良かったよな。」

「逃げたくなっても退学は嫌だしなぁ…。」



 私の通っている学校、清蘭学園は有名進学校で、幼稚舎から大学院まである。しかもどの段階でもこの国のトップクラスだから、みんな退学だけは避けたいんだ。




私は別に退学しても多分、入れる学校はかなりあるし、勉強嫌いじゃないから学校はどこでもいいんだけど、ここには柚妃がいるから。離れたくないから、嫌でもこの行事に参加するしかない。…サボってやろうと思ってたけど。
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