時を越えて ~約束~
―――キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ってHRは終わった。
「花鈴ー。誕生日祝えないよー。」
柚妃が私のところにきて、訴える。
「仕方ないよ。でも、明日は会えるんだから。
…私はそんなことより、明日からの一週間どうしたらいいかかなり悩むよ。」
「そうだね。花鈴、陸人の隣だしね。」
私の大嫌いな水城陸人と大好きな柚妃は幼馴染だ。
今はそんなに親しくないみたいだけど…。
「ねぇ、花鈴。花鈴はまだ‘あのこと’忘れてないんでしょ?…もちろん、陸人のことは許してなんてないよね…?」
「うん。」
…私はその一言しか言えなかった。
こんな醜い私、柚妃に嫌われちゃうかな…
「陸人はね。幼馴染の私でもよく分かんないときも多いし、花鈴にたくさん酷いことしたから許さなくてもいいと思うよ。」
…本当に、柚妃は私の心がわかるんだね。
「ありがと。柚妃がいるから今の私があるんだよ。」
「大げさだなあ。
あっ!誕プレ買わなきゃ!今日これで帰っていいらしいから、帰ろう。明日の準備もしなきゃだよ。」
「そうだね。帰ろっか。」
そうして私は帰途についた。