時を越えて ~約束~



「ほら陸人。花鈴さんにちゃんと挨拶して。」


・・なんか一樹くんお母さんみたい。


「あぁ。よろしく。花鈴チャン。」



・・・・・・蘇る最悪の記憶。こいつの声を聞くだけでこんなに嫌悪感が出るなんて。この人はいつまで私を忌まわしい記憶でがんじがらめにするのだろう。




「よろしく。水城クン。」


「くじ、花鈴チャンが引いていいよ。」


「そう。」






…こんな冷めた会話、普通の女子なら王子こと水城陸人とはしないだろう。

だけど。私は。こいつの本性を知っているから。




そんな私たちのやり取りを見て、柚妃も一樹くんもハラハラしてる。


「じゃぁ取ってくるから。どんな番号でも文句は言わないで。」

「もちろん。'あの'花鈴チャンが引いてくれるんだから。」



本当にこの人を馬鹿にした感じがムカつく。






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