時を越えて ~約束~





「んっ。よく寝た。」


小さな声で呟いたのに隣のヤツには聞こえたらしい。


「ほんとにね。爆睡だったよ。花鈴チャンのキレイな寝顔が見れたから俺的には別にもっと寝ててくれてもよかったけどね。」


っ!!寝顔見られたことも、軽く馬鹿にしてる感じも全て気にくわない。


…そんなことより、夢をみていた気がする。
昨日の朝にも感じた違和感が忘れられない。今の夢から醒めたときもそれと同じ違和感を感じた。
一体、この違和感は何だろう。





「花鈴、あと私たちだけになっちゃったよ。寂しいよぉ。」

柚妃が私に声をかける。

「そうなの?じゃあ、私結構寝ちゃったんだね。」

「そうだよ。…あと10分くらいで私と一樹は着くんだって。てゆか、本当に陸人と話すの?」

「うん。もう、終わりにしたいの。このままじゃ、もう一歩も進めないから。」

「そっか。これが終わったら、ゆっくり話そうね。」

「うん。そうだね。」

「・・・そろそろ時間だ。じゃぁ、また一週間後にね。元気でね、花鈴。」

「そんなお別れみたいな言い方しなくても大丈夫だよ。柚妃こそ、気をつけてね。」

「ハーイ。じゃあ、いってきます。」

「いってらっしゃい。一樹くんと喧嘩しないでね。」


彼女は、軽く微笑むと行ってしまった。


これから一週間、親友にも会えず、大嫌いな人間と共に過ごすと思うと本当に気が重い。





夢のこともなんだか、気になる。胸騒ぎがするような……



だけど今は。目の前のことをどうにかするしかない。





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