時を越えて ~約束~
もう一度会うってどういうことなんだろう・・・
ふたりはあんまり会えなかったとか?
『とても大切な人だから。生まれ変わっても会いたいと願った。それに、その願いに拍車をかける出来事があったの。だから禁術でも使ったわ。
これからのことを説明してもいいかしら?』
「もちろん。準備万端よ。」
やっぱり瑠璃は何かを知っている。
私のこの漠然と感じている違和感に答えが見つかるだろうか。
『禁術を使って生まれ変わったら二パターンに分かれるの。ひとつは生まれてから成長すると共に記憶も順を追って見るタイプ。もうひとつは16歳になると一気に記憶が戻るタイプ。後者は見る記憶の順番はバラバラなの。
花鈴は、後者ね。こうして私と話しているのも、あなたがもうすぐ16歳になるから。だんだん力が高まっているからなのよ。』
「そうなんだ…あと、会ってどうするの?琥珀の生まれ変わりはまだ生まれていないかもしれないよ。」
『それは大丈夫。術式で同じ年齢で生まれるようにしてあるから。ただ、どこの誰だかは分からないけれど。』
「そっかぁ。会えるといいね。」
『そうね。…これからきっと、花鈴は私の目線で私の記憶を見ることになるわ。それでもいい?』
「うん。いいよ。」