時を越えて ~約束~
『花鈴、16歳の誕生日はいつ?』
「…明日。」
ボソリと応えると、
『ふふっ。誕生日、好きじゃないの?』
と、笑いながら瑠璃が聞いた。
「好きじゃない。でも、なんで誕生日なんて聞くの?」
『確認よ。あなたは明日16歳になる。たぶんこの後、私の記憶を見るわ。そして記憶と能力を取り戻す。』
「能力も?」
『そうよ。私の力はあなたの力でもあるから。あと、記憶を取り戻すことを便宜上、覚醒と呼ぶわ。覚醒すると琥珀を感じるようになる。一目でも見たら、すれ違いでもしたらすぐに気づくわ。』
「それって、便利だね。」
『そうね。だけど、忘れないでほしいの。』
「何を?」