時を越えて ~約束~
『私は、あなたと過ごせて幸せだったの。今まで生きているのも嫌だった。だけど、あなたが私の世界に色をくれたの。ずっと一緒にいたいと、はじめて思える人だった。ありがとう。こんな私を好きだと言ってくれて。嬉しかった。・・・たとえ、あなたの一番じゃなくても。』
―――私の口から零れる言葉はとても理解できない。
どうして、あんなに琥珀が大事だと、好きだといっていた瑠璃が“琥珀の一番”じゃなかったの?二人は愛し合って約束を交わしたんじゃなかったの?
私の気持ちとは裏腹に、言葉は溢れる。
『一番じゃなかったのに禁術を使わせてしまってごめんなさい。あの術は解いていいわ。
――はぁ。たくさん言いたいことはあるのにうまく伝えられないわ。でも、ひとつだけはあなたに言わなくちゃってずっと思ってた。
あなたを愛してしまって、ごめんなさい。』