時を越えて ~約束~
花鈴と姉貴は同じミュージックスクール「melodia」に通っていた。
'melodia'はかなり優秀である程度の腕がないと入ることさえできなかった。
もちろん真理亜はヴァイオリンで入って週5日レッスンだった。
・・・まぁ家では毎日弾いてたし、母さんの従姉妹が結構有名なヴァイオリニストでその人から家では指導を受けてたけど。
花鈴はそのmelodiaでピアノ・ヴァイオリン・ハープ・トランペット・フルート・ギター・声楽などなどあらゆる楽器をこなしていた。
俺と同じ歳の5歳なのに姉貴と同じコースでヴァイオリンを習い、他の楽器も恐ろしくよくできていた。
花鈴の奏でる音は美しかった。
姉貴のレッスンをたまに見に行くと花鈴が居た。
といっても音が聴こえるだけで、見たことはなかった。
いつも真理亜は家で花鈴の話をした。
『melodiaのヴァイオリン科にね、花鈴ちゃんって子がきたの。その子は陸人と同じ歳なのにいろんな楽器ができるのよ。それに、どの楽器もとても上手なの。笑うととっても可愛いわ。はやく、仲良くなりたいわ。』
そんな風に真理亜は花鈴と初めてレッスンが同じになった日に言っていた。