時を越えて ~約束~
――ガタッ

「水城も席に着いたことだし、続きはじめるぞ……」
担任が再び話し出した。


水城の席は私の隣だ。
運悪く、席替えのくじ引きで一番許せない人間の隣になったために、毎日嫌な気分でなきゃいけない。
窓際、一番後ろは最高なのに。
本当に、ついてない。


そんな感じでボーッとしてたらHRが終わった。
するとすぐに柚妃が私のところに来て話し出した。


「ねぇ花鈴。もうすぐ誕生日でしょ?
 何か欲しい物とかある?」
「あれ?もう私の誕生日だったっけ?」
 …記憶がやばいな。
完全に忘れてた。
「そうだよ!もうすぐっていうか明後日が花鈴の16歳の誕生日でしょ。
 …で、欲しい物は?」

 …"欲しい物"かぁ…
「別に、無いよ?気持ちだけで嬉しいし。」
 それに、自分の誕生日は好きじゃない。
嫌なことを思い出すから…

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