時を越えて ~約束~



ずっと、固まっていた花鈴が動き出したのはそれからだった。


男子生徒が柚妃に

『お前なんか、ここにいる価値ない』

と言ってからだった。




その言葉を聴いた途端に、花鈴は教室のドアを開けていた。



「なんて酷いことを言うの!!私のことは何をしてもいいわ。だけど、どうして柚妃にまでそんな残酷なことをするのよ!?」



いままでどんなに酷いことをされても何も言わなかった花鈴が、すごい剣幕で怒鳴ったので、男子生徒は一瞬、面食らったようだった。


だけど、すぐに笑みを浮かべて言った。










「じゃあ、お前が消えろ。そしたら、こいつは元の生活に戻れるよ。」





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