時を越えて ~約束~



殴られた柚妃はおもいっきり床に叩き付けられた。


それでもまだ、男子生徒は柚妃を殴った。


3発目が柚妃の腹に入れられようとしたとき、花鈴が間にはいった。




柚妃を抱きしめて、男子生徒から守るようにする。


だが。


逆上した男子生徒は後ろから花鈴を殴り続けた。



最終的には、花鈴の髪を引っ張って壁に叩き付けてこう言った。




「全部、お前が悪いんだよ。」




と。




そして男子生徒は教室から出て行った。






教室に残ったのは、花鈴と柚妃のふたり。



しばらくの沈黙の後、不意に花鈴が消えそうな声で柚妃に尋ねた。






「…どうして、黙っていたの。」




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