刻の無い少女






「お前は、
鵯(ヒヨドリ)だ」





上を見上げると…








あの“ひと”が立っていた。





きっとずいぶん怯えた目で見ていた。






私と視線を合わせるようにしゃがみもう一度言った。



「お前の名は
鵯(ヒヨドリ)だ」



「ヒ……ヨド…リ?」





私の名は



鵯(ヒヨドリ)?





じゃあ、


「あなたの名は?」











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