刻の無い少女
拝啓

暖かな風の吹く心地よい日が続いています。


お元気ですか?


ここから観る竹やぶの根元から竹の子が顔をひょっこり出してます。
だから、帰って来たら虚(ウロ)に言って掘ってもらおうと思ってます。

いっしょに住んでいる虚は今日、山に山菜を探しに出かけています。


庭の様子も、春を喜んでいるように咲き誇っていてとても綺麗です。


花を一輪飾りたいのですが、もったいなくてできませんでした。


また、お手紙を季節が変わったら書きます。

お元気で…。

敬具
鵯(ヒヨドリ)



 
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