刻の無い少女
もう満腹となったようで、食べるのをパタリと止めた。
「鵯…。」
ぼんやりと空を見つめてこちらを振り向いた。
どこか焦点の定まっていない虚ろな目。
酔ってる?
「鵯。」
腕を引くと鵯の体は支えを失ったように胸の中に倒れこんできた。
スースー
規則正しい寝息が聞こえるのを確認して抱き上げた。
軽いな。これからはしっかり食わせてやらねばならんな。
今の季節だと何がいいか。
思考がお母さん状態な虚だった…。