刻の無い少女
拝啓

はらはらと粉雪が舞うような寒さが続いています。


お元気ですか?


この頃は、急に寒くなりまして火鉢の傍から離れられません。
昨日は初雪が降りました。まるで羽のようなに真っ白でふわりとしていました。
雪というのは冷たいのですね。


庭は白銀の世界になっていています。



この雪で虚も家の中にいます。

いつも居てくれれば―――…。


雪はおいしいのでしょうか?
あんなに白くてふわりとしているのだから甘そうな風がしますが…。
虚に聞いておきます。



またいつか季節の手紙を書きます。

敬具







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