刻の無い少女
「白くて…きれいで……不思議で……不思議で……」
自分の言葉で精一杯伝えた。
下を向いていたから虚の顔は見えない。
しかし、返ってきたのは意外な言葉だった。
「そうか。説明をしなかった私も悪かった。すまない…。」
えっ…。
それはちがう。
「ちがう、虚が言うこと、ちがう!」
私の方がいけないんだ。だから、ちがう。
「私が勝手に部屋を出たのがいけないの!だから、ちがう!私の方がすまないなの…。」
「フッ…。」
虚は目を細めて手で口元を覆っていた。
それがどういう意味か鵯はまだ知らない。