刻の無い少女



「虚、これでいい?」


「あぁ上出来だ。」

「本当に?不味くない?」


一口食べてみるが味は悪くないし、盛り付けも前より上手くなっている。


この調子なら、きっとおっ…私より上手くなる。さすがに女はのみこみが早い。


何も知らなくても、教えれば覚える。それが人と言うものだ。



鵯には、様々な事を教えた。


季節の事や料理や身の回りの事。


井戸の水の汲み方と薪割りは教えていないが。

これは男の仕事だから、な。





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