写真を撮って
「……君って、結構ちっちゃいんだね」
そう言ってカバンの中からいつもの一眼レフとは違う、いかついカメラを取り出した。
そのカメラでおにーさんがぱしゃりとシャッターを切ると、
「べ〜」という音を立てながら、写真が出てきた。
「………わぁ………」
「………これ、あげる」
そう言っておにーさんは写真を差し出した。
………これが、私の見ている景色なんだ……。
なんだかとっても綺麗に感じる。
おにーさんがまたシャッターを切った。
今度は背筋をぴんと伸ばして。
「……これもあげる。…本当に見たかったのは、これでしょう?」
「………えへへ。分かった?」
「……君はとっても分かりやすい子だから」
ふわりと微笑むおにーさんを見上げる。
また、心臓持ってかれちゃった。
……私は、おにーさんの目を見ながら、さっきもらった二枚の写真の片方をおにーさんに差し出した。