写真を撮って
書店にて
*…*…*
おにーさんに名前を教えてもらった次の日。
私は書店に来ていた。
理由は単純。
『……また君、僕の写真集かなんか探すつもり?』
おにーさんが言った、何気ない言葉。
あの時はつい流してしまったけど、これは写真集を出してると自分で言っているようなものだ。
そんなわけで、私はおにーさんの写真集を入手すべく書店に来たのだ。
普段は全く見ない、写真集が置いてある棚をじっくりと眺める。
その中で特別目を引く、真っ青な空の写真が表紙になった写真集。
私は思わずそれを手に取った。
そして、思わず叫び声を上げそうになった。
………撮影者のところに、おにーさんの名前があったのだ。