写真を撮って
「……………気づいた?」
「あぎゃあ!?」
私は突然耳元で聞こえた声に飛び上がった。
見上げると、おにーさんが微笑んでいた。
「おにーさん、これ………!」
私が言うと、おにーさんはゆっくり頷いた。
「……そう、これ、君…………。ごめんね、勝手に撮って。」
「そんなこと……!……でも、なんで私…………っ」
私の唇はおにーさんの人差し指によって封じられた。
「………仕方ないでしょう。………君がいる風景が、僕は大好きなんだ」
私はおにーさんの手をぎゅっと握った。
「…………ずるいよ、おにーさん………。ちゃんと私が好きだって言ってよ………。……私、おにーさんのこと、大好きだから……」
そう言っておにーさんの目を見つめると。
「………違うよ」
おにーさんは何故か得意気に言った。