写真を撮って
「ねぇ、私も撮って」
おにーさんの前でおどけてピースサインをすると、おにーさんは目を泳がせた。
「……僕は人物を撮るのは苦手なんだ」
「………けちー」
おにーさんは私がぶーたれている事などお構い無しに空を見上げた。
「……いい天気ですね」
「………そりゃ、もう春だもの」
私も空を見上げると、太陽がまぶしくてくしゃみが出た。
「……君もまぶしいと、くしゃみ出る人?」
おにーさんが少し笑いながらティッシュを差し出した。
「そうなの。変でしょう?」
「……いや、僕の姉さんもそうなんだよ。ときどきいるみたい」
「お姉さんいるんだ!それは初耳ですな!」
俄然興味が湧いてきた。