写真を撮って
「なにがおかしいの?」
「冷蔵庫だけじゃなくて僕の生活も写真まみれになるね。君と一緒にいたら」
「写真まみれ上等じゃない」
「僕は写真だけじゃない、『そのもの』も大好きだよ」
「どういう意味?」
「……写真にうつらない雰囲気とか性格も大好きだってこと。自然だろうとなんだろうと。……もちろん君もね」
「…………わかんないからとりあえず二人で写真撮ろう」
「………いつか、わからせてあげるから。………ていうか、誰が撮るの?」
「おにーさん!」
「はいはい」
おにーさんと寄り添って、二人で写真を撮った。
ああ、この幸せな時間をぜんぶ、写真に閉じ込められたら良いのに。
だけど、今が幸せなら。
これからもきっと幸せだと思ってしまう。
おにーさんのせいだよ。
私を、ずっと離さないで。
「おにーさん、愛してるよ」
そう言うと、おにーさんはふわりと頬にキスをした。