写真を撮って
「お、おにーさん……!なんでここに!?」
そう呼び掛けると、おにーさんは振り返って少し驚いた顔をした。
「………これはこれは、奇遇だね」
「今日は、写真撮らないの?」
私が首をかしげて尋ねると、おにーさんは苦い顔で言った。
「外、見てごらん」
その言葉にスーパーの外を見ると。
薄暗くてザーザー降りの雨。
さっきまで降ってなかったのに。
「…………傘無い………」
私がぽそりと呟くと、おにーさんはクスリと笑った。
「大丈夫。すぐ止むよ。……でも君が帰る時間になってもまだ降ってたら、傘、入れてあげる。店の前で、待ってるから」
そう言っておにーさんはまたふらりと消えた。