埋蔵金みーっけた。
「何か凄そうなの見つけたー」


・・そうだね、凄そうだね。


木箱を頭の上で持ち、あたし達に


笑いかけてくる有を見て、脱力感のようなものを


覚えた。


「は、濱田君! その木箱未久達に渡して?
その方が、上ってきやすいよね!」


精一杯手を伸ばし、有から木箱を預かった後。


『あんたは猿か?』って思いそうになるほどの


身軽さで、有は帰還した。


「やー、疲れたなぁ。 ・・て、一人寝てるし」


地面に胡坐をかいて居る有が、麻由が寝ているのを


見て、苦笑いした。
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