愛と涙、そして知るだろう。
悲しみの傷
屋上には、夏の温かい風が吹く。
無言のまま2人で屋上に立つ。
美波はそんな思い詰めた顔して、何を考えているんだろう?
「結羽・・・。」
やっと美波が口を開いた。
「ん??」
「なんで彼氏ができたこと、言ってくれなかったの!?」
一瞬、時間が止まったような気がした。
「え、、、??」
「涼から聞いたよ。」
私の思考回路がやっと動きだした。
涼が美波に言ったんだね。
私の嘘を・・・。
「ごめん・・・。」
「私は結羽のこと1番の友達だと、思ってたのにッ、、、。」
美波の目にはいっぱい涙が溜まっている。
こんなにも私のことを、大切に思ってくれてたんだね。
でも・・・。
本当のことは言えない、、、。
「ごめん・・・。」
“ごめん”しか言える言葉がなくて、ごめん・・・。
「結羽は、私のことどうでもよかったんだねッ!もういいッ!!」
そう言って、走り去っていく美波。