愛と涙、そして知るだろう。
君と友と決断
康平に家まで送ってもらった日から、
休日を挟んで、また朝を迎えた。
休日は、ただただ部屋の掃除をしたりして、気を紛らわしていた。
でも、学校に行くことだけは逃げられない。
重たい気持ちで家の玄関を開ける。
少し覚えた違和感。
「あぁー、そっか・・・。」
涼が居ないからだ。
涼が美波を好きだと言った次の日。
涼が美波に告白をした次の日。
私が暗い気持ちで開けたドアでも、
ドアの先には、いつも笑顔の涼がいた。
でも・・・。
もう、ドアの先で涼の笑顔を見ることはない。
しぶしぶ学校へ向かう。
涼がいつも髪型をチェックするお店の窓。
いつも、下校の時に涼とジャンケンで勝負して、奢り合った自動販売機。
涼と一緒に子猫を助けた溝。
どの前を通っても、思い出ばかりが蘇って、
隣に涼の笑顔はない。
そう思うと、
改めて、私の中の涼は思っていた以上に大きかったことに気づく。