愛と涙、そして知るだろう。
リビングには、いつもと変わらないお母さんの笑顔。
「結羽、そんな慌ててどうしたの?海楽しかった?」
「う、うん。」
あいまいに受け流す。
聞いて良い話なのかわからない。
でも、私は真実が知りたいから。
決意を固め、大きく息を吸う。
「お、お母さん。私のお父さんってどんな人・・・?」
一瞬曇ったお母さんの顔。
「さ、さぁ......。もう忘れちゃったわ。」
耳の後ろを触って話すお母さん。
私が、嘘をつく時に、
耳の後ろを触る癖は、お母さんに似たんだよ・・・。
「嘘つかないで!これ・・・。」
そう言って写真を見せる。
「こ、これは・・・。」
「私は、ちゃんと真実が知りたいから。お願い、話して?」
少し遠い目をしたお母さん。
「わかったわ。」
と言って私にすべてを話してくれた。