spiral"alive"Ⅱ

追い詰められているにもかかわらず、藍那は冷静だった。



「それを放てば直の勝ちでしょ?早く撃てばいいじゃん。」


藍那の陽気な声に、直は何も答えなかった。



ピクリとも動かない直を見て、藍那は溜め息を吐く。



「ね?言った通りでしょ?直に私は殺せないって…。」


「…黙れよ。」



直の低い声にも藍那は止まらなかった。



「自分の大切な人を殺せる程、人間って強い生き物じゃないんだよ、直。そんな事出来る人は…心が無い只の獣だよ?」



直の瞳に迷いが写った。





< 311 / 543 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop