【短編】ヤキモチ☆

12




「あたし帰る…」


涙を見られたくなくて
その場から走って逃げた



あたしがもう少し素直だったら

「…ふぇッ…ッ」

もう少し素直に自分の気持ちを言えたら

「…どうしたらいいかわかんないよ…」

こうやって悩まなくて済んだのかなぁ…?





「待てよ!!」

家に入ろうとしたところを後ろから腕を掴まれた



えっ…!?



振り返ると悠がいた

肩で息して…もしかして追い掛けてきたの??



悠は振り返ったあたしの顔を見て驚いたみたい


「なんで泣いて…」



急いで俯いたけどもう見られたから意味ないね



「綾美??何かあったのか??」


「何にもない…」


涙を堪えて聞こえるかわからないぐらいの声で答えた

「何にもないわけないだろ??誰かになんかされたのか??」


首を横にふるのが精一杯だった
次喋ったら…きっと悠にひどいことを言ってしまう気がする

今思ってること不安なこと全部悠にぶつけちゃうから必死で色々我慢してたのにー…


はぁ〜ってため息が聞こえた




プチンッ…






あたしの中で何かが切れた
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