【短編】ヤキモチ☆
14
思う存分泣いて涙が落ち着いた頃には
外では雨が降っていた
どれくらい泣いてたんだろう??
涙ってこんなにたくさん出るんだねー…
カーテンを閉めようとしたら
うそー…
なんで…?
どうして悠がいるの??
雨の中傘もささずにこっちを見て
すごく切ない顔をしてる
悠が微笑んだことに気づき
咄嗟にカーテンを閉めちゃった
♪〜♪♪ー♪…
「わぁッ…」
け…携帯かぁ
ディスプレイには「悠」って文字が表示されてて
それを見ただけでまた涙が溢れ出してきた
電話が切れてもまたすぐに鳴り出す携帯ー…
でも突然静かになった携帯にメールが入ってきた
もちろん悠からで
“話しがしたい。待ってるから…”
今は悠と話したくない
だって直接「嫌い」なんて言われたら
あたしどうなるかわかんないもん…
膝を抱えて座り頭を膝にくっつけてあたしはまた涙を流した
顔をあげて目を開けると
朝になっていた
無意識のうちに寝てたんだ
頭がぼーっとする…
体も怠い…
動かない体を無理に動かすと
鏡に涙のせいで目が腫れた不細工なあたしが写っていた
あ…ずっと泣いてたんだ
徐々に頭が動きだし思い出してきた昨日の出来事ー…
急いでカーテンを開けると
雨がまだ降っていたけど
悠の姿はどこにもなかった
そうだよね
ずっと待ってるわけないよねー…