【短編】ヤキモチ☆
19
優しい悠しか知らない
こんな悠知らないょ…
ううん。違う…
知らないんじゃなくて知ろうとしなかった
悠のこと何一つ…
前にも怒られたことがある
でも今まで見てみぬふりをしてた
ただ悠との関係を壊したくなくて
あたしが黙ってればずっとこのままでいられるって思ってた
でもそれももう限界…
きっとこのままあたし達の関係は終わっちゃうんだー…
「綾美何で黙ってんの?」
黙ってるあたしを
悠は自分の方に向かせた
「…なんで泣いてんだよ」
悠に言われて
自分が泣いてることに初めて気付いた
気付いちゃうとダメだね
次から次へと涙が溢れて来ちゃう…
「はぁー…綾美こっちきて」
あっ…またため息ついた
それだけでどんどん涙が溢れてくる
悠に引っ張られてベットに座らされ悠が床に座る
目線の高さがかわって
顔を見られたくないから俯いてるのに
悠に見えちゃう…
「綾美…泣くな…」
流れてくる涙を悠が全部拭ってくれるから必死で涙を止めようとしたのに
あたしの耳にまたため息が聞こえてきて
止まる予定だった涙が勢いを増して溢れてきた
「なんでさっきより泣いてんだよ…」