幸せの見つけかた
「それと、もう一つ言いたい事がある、とおっしゃってます。」



「なんだよ。」



「自分の心に嘘をつくなと言ったはずだ、とおっしゃってます。」



「嘘なんて… ついてねーよ。」



ソファーに座り、改めて二宮を見た。




「香織さまのこと、もっと素直になりなさい、とおっしゃってます。」



「素直になってるよ。彼女は上野さんといた方が、幸せになれると思うから、こうしたんだろ?」



「そんなのは、自分のエゴだと、おっしゃってます。」



「あーっ!! その、おっしゃってます、は省略しろ! 鬱陶しい。」



ガシガシ頭を掻いた。







< 141 / 204 >

この作品をシェア

pagetop