幸せの見つけかた
それからしばらく黙ったあと、静かに彼女が口を開いた。





「ねぇ、昨日のこと。 …なかったことにしない?」





「…えっ?」





どうして? 



思わず彼女を見つめる。






「俺のこと、嫌いなの?」



瞳を伏せて、彼女は静かに顔を横に振る。





「好きよ。 だから良平くんには、別の人を選んで欲しいの。」



「別の人って… 俺は」



「良平くんさ、子ども、何人くらい欲しい?」



俺の言葉を遮って、重ねて質問してくる。






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