幸せの見つけかた
「それより二宮、今日の分見せてくれよ。」



俺がそう言うと、二宮はニヤリと笑った。



「何だよ。別に彼女がどうっていうんじゃなくて、人として、お母さんの容態が気になるだけだ!」




「…何も申しておりませんよ。準備は出来てます。10番をどうぞ。」




…ったく。ニヤけて見るんじゃねーよ。




ガシッとリモコンを手に取り、10を押した。











ベッドに誰か寝てる。


その横に、彼女が座ってた。




『そんなに荷物持ってこなくても…。明日退院するんだから。』



ベッドの女性が彼女に言った。



『まだ決まっては、いないのよ。今は打撲だけって言われてるけど。明日もう一度、検査があるんだから。』



『大丈夫よ。みんな、大げさなんだから。』



『何言ってんの! お母さんに、もしもの事があったらって…美和子なんて泣いてたんだから。』




あぁ… 打撲だけで、済んだみたいだな。






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