幸せの見つけかた
それからしばらく2人で話し、彼女は病院を出た。




夜の道を、1人で歩く彼女。



だんだん肩が、小刻みに震えだした。




…あれ?



顔が映ると、ポロポロと涙をこぼしてる。




なんで… 泣いてんの?



明日の検査で問題なければ、退院できるって言ってたのに。



もしかして… お母さんに何か病気が見つかったとか?





『パチン』




「時間です。」



横から冷静な声。



「えっ、もう?!」




30分って、こんなに短かったっけ?




「じゃあ私は、これで。」



さっさとヤカンに戻ろうとする二宮。



「あっ、なぁ!」



二宮の後ろを追いかける。



「お母さん、実は何か重い病気とか?」



「…私は何も申しあげられません。」




…だよな。



「そのお顔だと、また明日も呼んで頂けそうですね。では失礼します。」



優雅に頭を下げ、ヤカンの中へ消えていった。




その顔って



どんな顔だよ。







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