幸せの見つけかた
「まず、リストラ勧告を受けた場合、受けますか? 拒否しますか?」




これまでの人達にも言ってきたように、上野さんは切り出した。





「受けます。」



彼女は上野さんの目を見て、ハッキリ言った。





こんなに… あっさりと?





「…では、そちらからの条件は、ありますか?」




「…条件って?」



一瞬眉をひそめ、首をかしげた彼女。




「これまでの方は、受ける代わりに退職金を上乗せしてくれとか、再就職先を斡旋してくれとか… 色々言われました。」




「別に… いいです。あっ、退職金は少し多くもらえたら、助かるかな。」



面倒くさそうに、彼女は額の辺りをポリポリと掻いた。




「こんなにスンナリ受けるのは、もう次の仕事が決まってたりするんですか?」



上野さんは両手を机の上で組み、すこし前かがみになった。






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