幸せの見つけかた
「僕らだって、喜んでやってるわけじゃないです。これは会社が勝手に決めたことで。上野さんだって…苦しんでるんです!」




改めてこちらを向き、俺を見つめる彼女。





「でも、そんな会社を選んだのは自分たちでしょ? しょせん会社のコマなのよ、上野さんも、あなたも。…命令通りにしか、動けないのよ。」




怒るでもなく、哀れむでもなく、何も感情の読み取れない声で言い捨て、彼女は出て行った。







…何なんだよ… あの言い方…。



好き放題、言いやがって…。



握りしめた拳が、怒りで震えてくる。







「…クックックッ…」



その場の空気に不釣り合いな、声を押し殺した笑い声が聞こる。



横を見ると、上野さんが笑ってた。




「…なに笑ってんですか。俺たち馬鹿にされて、コケにされたんですよ!」



思わず立ちあがり、上野さんを見下ろした。






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