幸せの見つけかた
テーブルを挟んで彼女と向かい合わせに座ると、目の前に皿があった。



「あっ、カリントウ! これって、駅前の店のじゃないですか?」



「そう、よく分かるわね。」



「俺のバアちゃんが、ここのが好きで。よく買ってたんですよ。うまいっすよねー。」




「ふふっ… どうぞ。」



「いいんですか? いただきまーす。…あー、やっぱりうめー。」



目の前の彼女は、クスクス笑ってる。




「香織さんも、これ好きなんすか?」



「うん。うちも母が好きで、よく買ってるから。」



そう言うと資料に目を落とし、計算を始めた。






 ボリボリ… ボリボリ…







「ちょっと… カリントウ食べ過ぎ。」




「だって、止まんないすもん、これ。」







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