幸せの見つけかた
「もぉー… お茶飲む?」



「はい!」



食い続ける俺に笑って立ち上がり、お茶を入れてくれた。





「お婆ちゃんは、今もカリントウお好きなの?」



香織さんもお茶を飲みながら、皿に手を伸ばす。




「バアちゃんは、5年前に亡くなりました。」



「あ… ごめん。」



「いいっすよ。俺、子どものころ両親が離婚したんで、バアちゃんが母親代わりしてくれたんです。だから好みが年寄りくさいって、友達にも言われるんですよ。」



カリントウを1つ取り、じっと見た。




「だけど本当に優しいバアちゃんで、大好きだったんです。ホントはもっと、生きてて欲しかったんですけどね。」





「そうなんだ…。うちの母はまだ元気なんだけど、この前交通事故にあっちゃって…。まぁ、大した事はなかったんだけど。」




「そうですか…。大したことなくて、良かったですね。」




その事知ってるんですけど… なんて言えないよな。






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