カミレンジャー!
 車は前に走った・・・。


 セカンド発進だった・・・。


「掛け声を!『カミレンチェンジ』です!」


「カミレンチェンジ!!」


 もはや、どうにでもなれ。


「もっと、気合を込めて!!」


「まだかブルー!!」


「わかりましたよ・・・カミレンチェーンジ!!」


 立派に右手まで上げてみた。


 これで何もはなかったら逃げようと思った。


 が、残念ながら天の神様は車にとんでもない仕掛けをしていた。


「!!」


 いきなり上下にゆれだす車。


「なんだ!?」


 よくわからないが、とりあえずシートベルトを締めた。


 ついでにバックミラーの確認もしたが、この行為に何の意味があるのか自分でも謎だった。


『カミレンロボ、変形スタート』


 声は車からした。


 どうやらホンキで変形を始めてしまったらしい。


「ウソ!!」


 叫んでいるその間も、車窓から見える風景はどんどん高くなっていき、運転席もその姿を変えていく・・・。


 ちょっとした感動と、すごい驚きを抱えながら青山は考えていた。


 この車も、市の税金から作られているんだよな・・・と。

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