カミレンジャー!
「え!?あ、ゴホンッ。ではこちらに案内します。」


 咳払いでごまかして、受付の女性は道案内を始めた。


 市役所の階段を登り、再び下って、たどり着いたところはエレベータ。


 扉に『カミレンジャーひみつきちぜったいはいるな!』と血文字で書かれていた。


「入ってください。」


「イヤです。」


 正直に言ってみた。


「なら、何しに来たんですか?」


「働きにですけど・・・」


「なら、入ってください。」


「イヤです。」


 やっぱり、正直に言ってみる。


「なんでですか?その理由を言ってくださいよ。」


「入れというほうがどうかしていると思います。」


「隊長の趣味なんです!」


「どんな趣味なんですか?」


「それは・・・」


 そこまで言ったところで、一人の女性が二人の間に割って入ってきた。


「どうしたの?」


 綺麗な女性だった。スタイル、顔、共に満点をあげたくなるような女性だった。


「それが、隊長あの求人広告を見たという人なんですけど、ここまで来たところで足踏みをされて・・・。」


「あら、それは困ったわね・・・。いったい何が悪いんでしょう?」


「それが、この扉の趣味が・・・」


「いえ、何でもありません!」


 受付の女性の言葉をさえぎるように青山が声を上げた。


「・・・以外に単純なんですね?」


 受付の女性の声が耳に痛いが、気にしない。


「そう?ならこっちよ。いらっしゃい・・・えっと~」


「青山です!青山茂。21歳、こないだまで、コンビニでアルバイトをしていました。」


 普段より1.5倍元気な声で答える。
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