カミレンジャー!
少女の着ている中学生の制服が学ランだったのだ。


「あ、初めまして先ほど隊長からお話しは聞きました。ブルーですね?私の名前は『黄浦実』イエローって呼んでください。」


 右手を差し出され、左手で握手を返す青山。


 笑いながらも『実』という名前はやっぱり男だよなぁ。などと考えていた・・・


 そんな折・・・


「大変よ!みんな、ワイルダーが現れたわ!!」


 いきなりモニターに映る隊長の顔。アップな顔が素敵だ。


「なんだと!!」


「それは大変だ!!」


 驚愕の表情を浮かべる二人を横目に青山はまったく別のことを考えていた。


「隊長・・・隣の部屋から声が漏れてます・・・直接口で言ったほうが良いのでは?」


「やだわ~ブルーったら。こういうのは雰囲気が大事なの!!」


「・・・ハイ。」


 大丈夫なのか、この組織・・・。


「ところで残り二人の姿が見えないのですが?」


 ここまで来たら、大体五人いることぐらい予想がつく。


「ブラックとピンクか?」


 やっぱり、ピンクはいたのか!


 せめてピンクは女性でいて欲しい・・・。


「ああ、ピンクはなんかバイトが入っているから無理らしいわ。ブラックは、先ほどメールで『今日はサークルの呑み会だから無理』ですって。」


 隊長の言葉である。


 それで良いのかカミレンジャー!!


「仕方ない。今日は三人で行くぞ!!」


「ハイ!レッド。」


「それじゃ決まりね。レッド、ブルー、イエロー。カミレンジャー、オールスタンディング!!」


 すべて立ち上げろ?


『ラジャー!』


 左手を胸に当て、再び立ち上げるしぐさにどことなく快感を感じる青山であった。
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