咲かない花
出会えた奇跡

中学の入学式の日――。あなたに出会えた。



私、お母さんのせいでちょっと遅れて教室に入った。
しん‥‥とした教室に一人で入ってったんだ。
「おはよーございます。」

みんなの視線と先生の視線が一生に私に集まった。 知ってる子もいたけど、やっぱり恥ずかしがった。
 でも、あなただけ私のこと見なかったよね。
寝てたからってだけだったけどさ。


これがあなた−−木野 拓也との出会いだった。



あなたは私の隣だった。会ったばっかなのに、起きていきなり、
「お前ちびやな〜。遅刻とかしてんなし。笑」
とか言ってきたよね。私にとって、あなたの第一印象は最悪だった。


そっからあなたはなぜか私のこと[ちび]ってよく言うようになった。
「おい、ちびー??教科書貸して〜♪」
「はぁ!?嫌やけど!?しかも、ちびぢゃねーしっ!!」
たしかに私は、小学生にもまけるほどの身長してて、周りからみればかなりのちび。
だからこそこの身長はかなりのコンプレックスだから、ちびって言われるのは、大嫌いなのに
「い〜が別に。笑」
ってあなたはいつも笑ってた。

こんなだから
初めはただうざいとしか思わなくて、ただ隣の席のクラスメートっていうだけだった。
その頃は、それが段々と恋になってくなんて正直全く考えられなかった。

でも、いま思うとね……??


たぶん私、もぅあなたに恋してたと思う。目と耳があなたの姿と声を追っていたから。
きっと知らないうちに抜け出せないくらいの恋をしてしまってたんだ。
今も前もずっと…。
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