あやめ【短編】
「何で行くんだよ……?」


「え…」



ぎゅうっと手に力が強まる。



「何で他の男のとこなんか行くんだよ!?」





唯斗さんの顔が私に近付く。


「嫌っ…!」



ドンッ!!




私は唯斗さんを押し切ると、部屋から出た。


「彩芽ちゃん!」











何が起きたの!?


唯斗さんが私に…キスしようとするなんて…………







唯斗さんが私のこと…………






なのに何で優作さんの事ばっかり思い出すのよ!?







家から飛び出すと私は街の方へと走った。





もうやだ。



なんで…?




私が好きなのは唯斗さんなのに!





< 29 / 66 >

この作品をシェア

pagetop