あやめ【短編】
「…俺は、彩芽のこと一度も忘れたことなんかなかったよ。」



記憶が蘇った私は彼の面影を思い出す。



「優…お兄ちゃんなの…?」


頭が良くて、


優しくて、



大好きだった…私だけのお兄ちゃん。





「あやめ。俺は戻ってきたよ。」






涙を流す私を優作は抱き締めた。


「ずっと…会いたかったよ。」









私も、優作の背中に手を回した。









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