あやめ【短編】
――――――……
いつもと同じように、薄暗いバーで優作は酒を口にした。
「また飲んでるの?」
後ろを振り返ると、美津枝が階段から降りてきた。
美津枝は隣に座るとカクテルを頼む。
「…あの子はどうだった?」
彩芽……
「彼女も俺を思い出したよ。それも俺が多前を殺してないって信じきってる。」
「あら。そんなに優作に惚れこんじゃってるの?困ったものね。優作は一応はよくしらない他人なのに。」
「悪者みたいだな。」
ふっと優作が笑う。
「…あいつよくわからないんだ。…心のどこかであいつに慕ってる。」
「…それはあなたの母親と被るから?」
「いや…。始めはそう思ったけど、あいつは…」
「優作。あなたはあくまで“犯人”よ。彼女をそれ以上想ってしまっては駄目。」
わかってる。
『優お兄ちゃん大好き!』
彩芽…
『どうして自分だけ責めるの!?』
どうして自分も共犯者だなんていうんだよ。
『またね。』
「彼女に優作は犯人じゃないということを認識してもらう計画は出来たんだから…もう会っては駄目よ。」
信じてくれなくてよかったのに………
いつもと同じように、薄暗いバーで優作は酒を口にした。
「また飲んでるの?」
後ろを振り返ると、美津枝が階段から降りてきた。
美津枝は隣に座るとカクテルを頼む。
「…あの子はどうだった?」
彩芽……
「彼女も俺を思い出したよ。それも俺が多前を殺してないって信じきってる。」
「あら。そんなに優作に惚れこんじゃってるの?困ったものね。優作は一応はよくしらない他人なのに。」
「悪者みたいだな。」
ふっと優作が笑う。
「…あいつよくわからないんだ。…心のどこかであいつに慕ってる。」
「…それはあなたの母親と被るから?」
「いや…。始めはそう思ったけど、あいつは…」
「優作。あなたはあくまで“犯人”よ。彼女をそれ以上想ってしまっては駄目。」
わかってる。
『優お兄ちゃん大好き!』
彩芽…
『どうして自分だけ責めるの!?』
どうして自分も共犯者だなんていうんだよ。
『またね。』
「彼女に優作は犯人じゃないということを認識してもらう計画は出来たんだから…もう会っては駄目よ。」
信じてくれなくてよかったのに………