あやめ【短編】
…幼いころから見てきた空は、どんなに朝がきたって、昼がきたって、夜がきたって同じ姿をしていたことなんか一度もなかった。







私はそんな空が大好きだった……。






















廃校になった小さな小学校を横通ると、街が見えた。


そこには道路があって、古い街だが商店街があった。








「……ここだ。」



今にも崩れてしまいそうな古いアパート。


階段は錆び付いていて、ペンキが剥げた壁がもう何年も昔からあったということを物語っていた。












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