あやめ【短編】
入ったとたん、



何もない小さな和室の部屋が目に飛び込んだ。



窓から見える空は、今にも雨が降りそう…。







その窓の外を見上げている優作の背中があった。











逢えた…




やっと…





「優作…っ!!」



私は声をあげて名前を呼ぶ。













ドクン






ドクン












「………あ……や…め?」







優作は…静かに振り返る。









私と優作は目が合った。





まるで時が止まったように…











外では雨の音が聞こえてきた。



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