涙味のkiss
◆春は別れと出逢いの季節
好きと憧れの境界線
あたし、中川 静羅(ナカガワ セイラ)には好きな人がいる。
それは1つ年上の先輩。
好きになかったきっかけは凄く単純で…。
天気予報の外れて雨が降っていた日。
天気予報通りに従ったため傘を忘れたあたしはただただ雨がやむことを待っていた。
「天気予報の嘘つき!100%晴れって嘘じゃん。」
雨を睨みつけながらぶつぶつ文句を言っていると
「傘貸してあげよっか?」
優しい声で話しかけられた。
声の聞こえた方に振り向くとそこには優しい顔をした先輩が立っていた。
「傘って言っても折り畳みだし、男っぽい色の傘だけど…」
それでいいならどうぞ。
と折り畳みの傘を差し出した。